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パナソニック社長が「サッチャー病」にかかる

パナソニックの社長がサッチャー病に感染したようだ


これは経営者や社長がよくかかる「水疱瘡」みたいなもので、みんなかかるのだが、かかると大変なことになる


今回はパナソニックの社長がサッチャー病に感染してしまった

パナソニック社長、令和3年度までに赤字事業撲滅方針産経新聞
 パナソニックの津賀一宏社長は22日午前、東京都内で記者会見を開き、令和3年度までに構造的な赤字事業をなくすとともに、営業利益率が5%に満たない低収益事業の方向性を決める方針を明らかにした。空間設計や工場の省人化といった高収益事業に経営資源を集中し、家電などのモノを売るビジネスモデルからサービスを軸としたビジネスモデルへの転換に向けた構造改革を加速する。



イギリスの首相マーガレットサッチャーは女性でマーガレットと花の名前はついていても本人はジュリアス・シーザーのように貫禄がある人物だったそうだ


サッチャーはイギリス保守党の政治家で、彼女がアルゼンチンとのフォークランド紛争以外にやったことと言えば、イギリスの経済活動における規制緩和と産業の転換、組合活動の弾圧がおもいつく 


マーガレットサッチャーの所属政党であるイギリス保守党の支持者は社会的地位がある比較的富裕な人たちだった

そのため、マーガレットサッチャーが労働者の組合活動を弾圧したり規制緩和をしたというのは当然で、そのへんは日本における中曽根政権とか小泉政権とやったことはだいたい一緒なので省略しておきたいのだが、サッチャーや中曽根のやったことがサッチャー病の感染経路なので省略することが難しいので、一応書く


前述の通り、サッチャーは保守党の政治家なので、どちらかと言えば「社会の支配層」の政治家であると言える

そして、サッチャーや中曽根のような保守の新自由主義が好きな政治家はしばしば「POWER(力)」によって問題が解決できると考えてしまう

しかもそれを自分の個人の問題じゃなく社会の問題にすら適用してしまうというのが厄介なところだ

すると、どうなるかというと「目についた倒せそうな相手」を攻撃してしまう

サッチャーだと炭鉱労働者、中曽根だと国鉄、小泉純一郎だと郵便局員みたいな感じだ


保守の政治家は自分の目についた相手さえ倒してしまえば、世の中がよくなると考えて思い込む、そして厄介なことにまるでそうすれば世の中うまくいくと固く強く本人が信じ込んでいるため、まわりの人もそれを信じてしまう


しかし、複雑な産業革命以降の社会の経済活動が誰かあるいは彼らを倒してしまえばうまくいくということは当然うまくいくわけもなく、当然社会が大きな混乱を逆に迎えてしまう(このへんは天変地異が続いた時は王様を倒せばうまくいくはずという中国の易姓革命の考え方や、地主を倒せばみんな幸せなんじゃない?という共産主義の考え方も実は同じだ)



サッチャーの場合、イギリス経済の低迷の中で国有企業を民営化と称して株式公開企業にした結果、イギリスの企業は海外の企業に買収されて、インドの財閥や香港の大富豪に今やイギリスの国内の基幹産業すら支配されてしまっている

イギリスの造船業や炭鉱のような労働集約型産業はともかく自動車産業すら消滅してしまった

サッチャーがやったことは病人をいきなり寒中に放り出したようなものだった

サッチャーが間違えたのは「経済活動には景気循環がある」ということを無視したか、あるいは意図的に見ないふりをしたことだ


だからマーガレットサッチャーは第二次大戦以降の不景気の中で構造不況になっていた産業分野を生産性が低いと認識して切り捨てたわけだが、実際には「景気の循環的に今は儲からない時期にある企業」「時代の変化の中で衰退していく産業」をごっちゃにして処分したせいで、サッチャーは前者の「景気の循環的に今は儲からない時期にある企業」であるイギリス企業が海外の資本家に買収されてしまう足掛かりを作ってしまうことになった

一例を出せばイギリスのガス会社のシェアの4分の1は香港の富豪である李嘉誠のファミリーが支配しているし、水道市場も5%を支配している


そしてイギリスの自動車産業の衰退の結果、イギリスではイギリスの女王が乗る自動車であるベントレーやロールスロイスすらドイツのフォルクスワーゲンの傘下に入ってしまった


ウィキペディアを見てもらうとわかるとおり、今やイギリスの自動車産業はジャガーランドローバーはインドの財閥であるタタ・グループの傘下だしベントレーもミニもドイツ企業の傘下だ


これが、サッチャー病の症状である


具合が悪いからと、産業界のなかで悪くなっている部分を切り捨てるのだが、実際には「景気の循環的に今は儲からない時期にある企業」を切り捨ててしまい、それを海外の企業に切り売りしてしまうことをしてしまうのだ


で、このサッチャー病、やばいことに社会的地位が高い人ほど感染してしまうため、まわりの人はみんな振り回されることになってしまう


なぜなら、このサッチャー病は感染してしまうと感染者は「選択と集中」という謎のセリフをうわ言のように繰り返してしまうのだが、選択と集中はあまりに説得力があるため、みんな従ってしまうことになる


するとこのサッチャー病感染者は選択と集中の名目のもと、地味な部門、堅実だけどあまり儲からない部門や一時的に不景気な部門を切り売りし始める

しかし、当然だが、地味な部門や堅実だけどあまり儲からない部門は実際には「低成長な高シェアの市場」だったり、「一時的に不景気な部門」は景気循環に左右されているだけ、だったりする


そのため、ジェフリー・イメルトが選択と集中をした結果何も儲かる部門がなくなってしまったゼネラル・エレクトリックや、POSレジとかパソコンのような地味だけど高シェアの部門を切り離したIBMみたいなことになってしまうのだ


景気循環に左右されている部門と地味だけど高シェアの部門を切り離したら、一時的にうまくいっているように見えるが、悪くなっていくのは当然だ


サッチャー病は悪い部分を切り捨てるという人間の短絡的な発想が具現化したものである


で、パナソニックだが、低収益事業を切り捨てサービスを軸にするみたいなことを言っているが、私はこれ、ヤバいんじゃないか?とおもっている

なぜなら、物に付加価値をつけるよりもサービスに付加価値をつけるほうが難しいからだ


例えば、一般的な性能の冷蔵庫を作る製造ラインは高卒の人たちで作ることができるが、サービスでお金を取れるようなレベルのサービスを提供するにはたくさんの高学歴な人たちが必要になる


しかも冷蔵庫ならたとえ、実際には他社に性能が劣っていても宣伝広告活動が上手なら同じくらいの価格で売ることができるが、サービスはそんなことはできない

何より、家電や電動工具はある意味BtoCの消費者向けの商売であるといえるが、サービスで儲ける方向にいくならBtoBつまり企業向けの商売になってしまう


すると、当然だが、自分の好き嫌いで買ってくれる個人の消費者よりも、よりシビアな判断で買ってくれる企業向けだと、下手したら儲けることは今より厳しくなる可能性がある


何より、家電や電動工具という事業はパナソニックにとって利益率は低くともブランド認知を高めるという点では名刺のような効果があるため、むやみに手放してよいのか?とも私は思う


サッチャー病は言いすぎかもしれないが、一時的な低収益な部門や低成長だが高シェアの部門を切り売りするのはあまり良いやり方とは思えない
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