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解雇自由化という産業破壊

ネット上で日本の労働環境を変えるには解雇自由化をするべきだというネトウヨの意見を見ることがある

しかし新自由主義の先進国イギリスで起きたことは私達に教訓を与えてくれる


鉄の女マーガレットサッチャーはイギリス保守党の政治家でイギリスの女性首相で旧姓はロバートだ

サッチャー政権ではイギリス保守党の支持層である小金持ち、つまり中小企業経営者や専門職についている人たちの伝統的な考え方に基づいて新自由主義的な政策を実行し、反対を受けながらもサッチャー政権は自分たちが改革と考えていたいくつかの政策を実行した

その中の一つが解雇自由化


第二次世界大戦後、大きな戦争を戦うために国家の力が強くなり主要な産業や公益事業を国有化していたイギリスはそ子に属していた労働者の力が強くなり保守党の支持層たちは威勢がいい労働者のデモやストライキを自分たちの経済活動の目障りに感じていた


つまり、毎年デモやストライキで賃上げを迫る労働者とその労働組合を苦々しく見ていたのだ


そこで、サッチャー政権ではまず労働組合を「社会主義者だ」とか「イギリス経済に悪影響を与える奴ら」あるいは「内なる敵」と批判する世論を作り出した(この辺は小泉政権の郵政民営化や国鉄民営化と似ている)


で、その後サッチャー政権では労働組合に不利になるような法令をどんどん制定し労働者がデモをできないようにしてから

労働者の弾圧を始めた

つまり、暴力を伴う合理化

例えば工場や炭鉱で人員削減を迫り反対をすれば警察の機動隊や騎馬隊を差し向けて蹴散らしてみんな逮捕したり、危険人物扱いをした



つまり、政府に反対をする人を危険人物扱いをし始めたわけだ(この辺は現代のネトウヨの思想なんかモロそうだね)

それまで普通に働いていて、ある時政府に反対をしたらその瞬間から「イギリスの内なる敵」という論法をサッチャー政権が作り出すことに成功した

こうして、イギリスの炭鉱や製鉄や造船や電力会社、ガス会社、鉄道などを合理化(というか人減らし)したわけだが、問題は、新自由主義の通りに現実は動かなかったという点で、炭鉱が閉山すると中年男性は年金と補償金を受け取り退職金で生活できたのだが、問題は、若い人で地方からはどんどん人が流出し始め衰退した地方では犯罪率と麻薬常習者の割合は増加し始めた

サッチャー政権は不景気を乗り越えるために産業を転換して新しい産業に労働者を向かわせようとしたのだが、結局人間そんなに簡単に変われなかったのだ


しかも、サッチャー政権による人減らしで弱体化したイギリスの製造業は今度は外国企業からの買収される対象になるほど弱体化していて、例えばイギリスの自動車メーカーであるジャガー、ランドローバーはインドの財閥系の自動車会社であるタタ・モーターズに買収されてしまったし、イギリス女王の愛車ロールスロイスもフォルクスワーゲンに買収され、イギリス本土の電力会社のうち4分の1は香港の大富豪である李嘉誠のファミリーによって買収され支配されている、また、5%の水道会社も李嘉誠のファミリー企業が支配している
さらにブリティッシュスチールはトルコ人に買収されてしまった


つまり、サッチャー政権とその母体イギリス保守党の支持層が目の前にいるこうるさい労働者を黙らせるために労働組合を弾圧し人員削減をした結果、内輪もめにエネルギーが奪われイギリスの企業の競争力が失われてしまったのだ


サッチャー政権のやり方は二虎競食の計を自分で自分にかけたようなものだ


また、サッチャー政権は当時の労働組合の中でも強かった炭鉱労働者の労働組合を潰せば改革が進むだろうと考えていたため炭鉱労働者を攻撃したのだが、問題は、イギリスの国内で使用されるエネルギーのうち石炭を過半が占めていたという点と炭鉱と付随する産業に従事している人があまりに多かったという点だ


それまでのイギリスでは暖房も石炭だし発電も石炭だったのだが、サッチャー政権により国産のエネルギーである石炭から石油にエネルギーを転換するため海洋油田の開発をした結果、イギリスでは北海油田を開発したため通貨価値が上がり始め強烈なインフレがおこりはじめて庶民の生活を圧迫し始めた

さらにそれまで石炭を貨物として運んでいた鉄道は線路の利用率が低下し始めるし、炭鉱の周囲の町からも人口流出がおきた


しかもサッチャー政権は解雇自由化で新しい産業が振興すると考えていたので解雇自由化をすすめてドイツやフランスよりも労働者を解雇しやすくした結果、逆に既存の産業が海外に出ていきやすくなったため製造業の空洞化が促進された


つまり、解雇自由化すると労働者への解雇の手切れ金が少なくすんだり払わなくていい項目ができるから、イギリス本土の工場を閉鎖してアジアや東欧に工場を移動したほうが良いわけだ
それに解雇しやすいからと言う理由で工場をイギリスに作る理由も無かった


こうして、サッチャー政権の壮大な実験はイギリスの国内の産業を破壊して外国人や外国企業に売り渡すだけになってしまった


そして、サッチャー政権による新自由主義の実験は炭鉱や製造業のような「キツイし汚いし危険だけど給料は良い仕事」をイギリスの地方から奪い残された低賃金のサービス業につくたくさんの人と、一握りの小金持ちを生み出すという結果に終わった

サッチャー政権以前にイギリスにあった工場や炭鉱で働いていた「賢くないけど働き者」の人たちはサッチャーにより稼げる仕事を奪われ「バカで貧乏人」となってしまった


イギリスでは現在5人に1人が貧困状態で暮らしている
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